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土曜日、NHKプロフェッショナルで、宮崎駿をやっていました。
引退会見をした後、また復活して今年新作を発表するまでの数年間を密着した大作の番組でした。 この夏、突如、前振りの宣伝もなく新作映画が公開され、とても話題になっていましたが、いつものことながら世の中がヒートアップしている時期にはあえて敬遠し、世の中の熱が冷めた頃、一人静かに観たい・・何なら、数年後TVで放送されるのを待つぐらい・・・。 ネットで、新作映画の感想が出回っていましたが「意味が分からん」「難解」という書き込みが多く、そういう意味の前情報は色々と知っておりましたが、番組を見終わっって、なんとなく映画を、今このタイミングで観てみたいと思いまして、近場でまだ上映していないかな??と調べると、延岡市内にある小さな映画館でまだやっていることがわかりました。 そして昨日、日曜日の午後3時、映画館に行ってきました。 延岡に住み始めて28年経ちますが、地元のこの映画館で映画を観るのは初めてです。 どこでチケット買って、シアターにどうやって行くのかすら知らなかった・・・。 シアタールームは3つあって、そのうち一番上階の3階、140席のシアターで上映。 3階までエレベーターもないので、なるほど、こりゃ時代に取り残された映画館やわ・・と思いつつも、まだこの映画を上映してくれていたことに感謝。 140席あって、入場は私入れて3人。 あとの二人は、年配のご夫婦でした。 もしかして、前日のTV見て来た人かも・・・とか、勝手に想像。 以下、感想です。 ネタバレバリバリなので、まだ観ていない人は、こっから先はご判断で・・・。 で、映画の感想。 相変わらず絵が美しい・・・。 大きなスクリーンの端から端まで、宮崎駿のメッセージがどっかに隠れていないか、舐めるように見渡しながら観るには、1回では足りない・・・。 まずは登場人物の表情とか、ストーリーについていかなければ・・・。 なるほど、意味が分からん・・・難解・・・というのは同感。 空襲で死んだ実母が「大きくなった真人へ」とページの中に書き残した「君たちはどう生きるか」という吉野源三郎著の本を偶然見つけて、読みふけっている時に、ファンタジーが始まる・・・。 映画のタイトルは、この著書のタイトルからもらったことは確信できました。 そして、夏子さんを探しながら、異次元の空間に入り込みます。 先にあの世にに行ってしまった人たちが水平線に膨大な船に乗って漂っており、現実社会では御婆さんになっているキリコさんがバリバリと海で漁をして働き、これから現実社会に巣立とうとしている命「ワラワラ」を育てている。 それは、命の輪廻のように、死んだ人がまた新しい命を育て、そしてまた寿命を全うしたらこっち側に来て・・・という螺旋のような絵で表現されているのかなと思いました。 主人公は、かつて生きた人々や現実社会ではもう年を取ってしまった御婆さんたちの人形に守られながら・・・ということは、(今生きている私たちは、自分よりも年上の人達に守られながら・・ってことよね)、困難を乗り切って旅を続けていきます。 夏子さんの居場所にたどり着き、あっちの世界ではタブーとされていることをしてしまう・・・。 そしてあっちの世界に君臨している大叔父に対面します。 大叔父は、自分の跡を、自分と血のつながりがあるものに譲りたい・・・と言います。 でも、すでに大叔父の世界を、実質的に取り仕切っていたインコ大王は「裏切られた」と言いました。 主人公は、大叔父の申し出を断り、現実社会で生きていくことを選びます。 そこは、秩序もない、戦争もある、多様性に富んだ、大叔父にから見たらハチャメチャな世界なのかもしれませんが、その中で自分は生きていかなければならないのだ・・・いや、生きていくのだと決心した主人公の真人。 現実社会から一線を画して、秩序正しく穏やかに見えるけれど、絶対君主制のような世界、自由がなく、タブーばかりでがんじがらめにされた世界を、ただ血縁があるから・・というだけで引き継いでいくことを拒否した真人。 そして、夏子を連れて、ファンタジーの世界から現実社会に戻ってきます。 これは、今実際に現実社会で起きていることを風刺しているのだろうか? 美しい言葉で、正義感ある言葉で、巧に操られ、平和な世界を生きているように見せかけられている私たち日本人。 でも、実際には世界では、今もどこかしこで戦争が起こっており、飢餓や、環境破壊、地球温暖化、大災害・・・いろんなことが起き続けています。 それに目を瞑って見ないふりをし、もっともっと技術革新や自然の摂理を超えた領域にまで人間の限界を求めていく果てしない欲望の世の中、そしてその恩恵は、同じ血族のものだけが引き継げるのだ・・・という差別や格差の考え方。 大叔父の塔は、ある日突然、空から石が落ちてきて・・・というのは、地球が誕生したことを示唆しているのか? そこで大叔父が大量の本を所有して研究を続けてきた・・というのは、人間が文明を発達させて進化してきたことを象徴しているのか? 大叔父が本物の石と偽物の石を使い分けていたことは、大衆にある思想を信じ込ませるためのプロパガンダを象徴しているのか? 大叔父の前で石を積んで見せたものの、倒れそうになって自ら切り捨てて世界を破滅させたことは、日本が戦争に突き進んで最終的に自滅したことを示唆したものなのか?ということは、大叔父は天皇で、インコ大王は東条英機だったのか? と、最初思ったのですが、Wikiを読んで、ちゃんと登場人物のセリフを考察すると、 明治維新の少し前に石が飛んできた = ウラン鉱石の発見 20年後その石を塔で隠した = 放射能の影響が明らかになり、隔離した 悪意のない13個の石 = 日本で稼働している原発の数 悪意のない者に引き継がせたい = 原子力の平和利用 13個の石で均衡を保つ = 核の力が抑制力になり、危うい社会の均衡を保っている もう新しい石を持つことは考えていない = 新しい原発は作らない ということは、大叔父は、たくさんの核兵器や原発を持ってしまった世界で、核を悪意あることに使われないようにするため、塔の中に閉じ込めて守っている人・・ということなのか? 真人は、これまでの慣習やタブーを打ち破っても、本当に助けたい、守りたいものを貫き、そして先に死んでいった大勢の命がそれを支え助け守ってくれたことに感謝しながら、塔の中で盲目な働き蜂になっていた(インコやペリカン)をも最後には解放し、自由な世界に飛び立たせてあげた。 その勇気ある行動は、決して一人ではできなかった、アオサギという仲間がいたからこそ・・・。 アオサギは、最初、怪しげで敵なのかと思っていたけれど、、無二の仲間だった。 世の中の主流から外れ、大衆からは変だと思われている一匹オオカミのようなアオサギが、本当は真の理解者だった・・・、本当は「青」だった。 偏った見方かもしれませんが、私の映画の感想はこんな感じ。 機会があれば、もう一度見直してみたい・・・けど、当分はもういいかな、疲れる映画だったわ。 追加、後でいろいろと思い出したこと キリコさんは大荒れの海に船をこぎ出した。 風を受けたり、受け流したりするために、船の帆をどの向きにすればいいのかを、キリコさんは熟知している。 この最後の波を超えたら静かになる・・・・と言った。 先人たちは大自然の中で、生きる術を知っており、それは日々の生活の中で学んだことである。 これまでの大昔の震災や津波に、人間がどう立ち向かってきたのか・・を見せてくれたようでした。 キリコさんは、採った魚の内臓まで、余すところなく全てを生きるための養分として使い「ワラワラ」のような得体のしれない生命体に臓物を与える。それが「ワラワラ」を育て新しい命の誕生につながっていく。 森の地面の中に住んでいるような微生物やアメーバーのようなものが、生命誕生のもとになっており、死んだ魚の臓物のような、現代社会では廃棄物になるようなものを、分解し養分にする・・という、地球誕生からこれまで自然界で当たり前に行われてきた命の循環を描いていると思った。 そして、飛び立ったワラワラも、ペリカンに食べられ、食べられなかったものだけが誕生する・・・・、自然界の弱肉強食や、奇跡的に生き延びた受精卵だけが命として誕生する生命の神秘をアニメーションで表現している。ワラワラが夜空に飛び立っていく神秘的なシーンは、きっと生命が誕生する神秘なのだな。 次にまた観る機会があったら、老いペリカンが傷ついて最後に残した言葉を、ちゃんと聞いておきたい・・・・。
by aiarchi555
| 2023-12-18 10:15
| 俗人
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