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11月19日 土曜日の備忘録。
ひむかヘリテージ機構と宮崎県建築士会が主催するセミナーに参加してきました。 県庁の防災庁舎が新築されるにあたり、文書センターとして使われていた歴史的な建物を曳家して、現在は「県庁5号館」として再利用されています。 昨年度、国登録有形文化財になりましたが、その活用は思うように進んでいないようです。 というのは、館内の音響の問題が大きなハードルになっているのでした。 文化財だからこそ・・のお悩みとも言える「内装に手を加えることなく、音響を改善する・・」という難しい課題。 実際に、私も体感しております。 以前、ここで会議が開催されましたが、とにかく何をしゃべっているのか聞き取れないのです。 会議終了の時に、座長が思い余ったのか「何でこんな音がよく聞こえないところで会議をするのか・・・」とお怒りになり、県の職員が「他の会議室がいっぱいだったもので・・・、申し訳ない・・・」と平謝りする事態になったのでした。 原因は、音が室内で反響することで、残響時間が長いこと。 わかりやすく言うと、音がわんわんと鳴り響いて、鮮明に聞こえないということ。 例えば、この会場で、楽器の演奏会やミニコンサートをする・・とか、映画を観る・・とか、そういうイベントをしたいという市民県民の要望はたくさんあるのですが、現状のままでは音の問題があって使えない・・のだとか。 そこで、この日の講習会には「日本音響エンジニアリング」という会社の講師をお二人お招きし、会場の音響をどのように改善すればいいのか・・というヒントになる講演をしてくださいました。 国内の名だたるコンサートホールの音響設計や、工業騒音の改善、その他「音」に関する仕事では、国内で第一線を走っている会社です。 前半は2階の会議室で、いわゆる座学。 後半、1階に降りて、実験。 実際に楽器を演奏してもらいながら、吸音板を壁際に並べてみたり、吹抜に暗幕を張ってみたり・・・と、いろんなことを試してみながら、音を聴き比べました。 前半の座学で、4面ある室内の壁のうち、L型の2面にだけ吸音板を設置するのが効果がある・・・ということを知り、その通り実験してみました。 主催者が事前に準備してくださっていたグラスウール吸音板を、参加者のみんなで壁際に運んだりして、身体を使って実証実験をする・・という楽しい会でした。 参加者のお一人が、チェロを弾いて下さる・・という贅沢な実験。 無料でチェロのコンサートを聴きに来たような感激。 しかも、音響の具合を実験するために、吸音板のセッティングを変えながら、何度も何度も演奏してくださいまして。 座学だけじゃなく、実際にその場で試してみる・・という実験ができたこと、 残響時間が短くなって、参加されたみんなが体感して驚きの笑顔を共有したこと、 ここでコンサートをしたい・・と常々思っていたというチェロ弾きの参加者の方も、今後、ここで音楽ができる可能性が見えたことで、とても喜んでおられました。 この講習会には、実際にこの5号館の利活用を担当する県庁の担当職員も、一参加者として有志で参加してくださっていて、熱心に勉強されていらっしゃいました。 また、かつて5号館の曳家を担当された県職員OBや、県の営繕課OBの方々も参加されていて、定年退職された後も、文化財に登録されたこの建築のこれからについて興味深く見守ってくださっているのだと感じました。 形式的な勉強会ではなく、実際の担当者を交えながら、今後の利活用につながる実証実験をする・・という、結構画期的な会だったと思います。 企画準備されてこられた、ひむかヘリテージ機構さん、ご苦労さまでした。 とっても楽しい会に参加させていただいて、ありがとうございました。 お約束の萌えポイント撮影。
by aiarchi555
| 2022-11-23 17:50
| 仕事人
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