７か月ぶりに椎葉村へ

　午後、ラッキーなことに雨が止みました。

晴れ間が出るほどお天気も回復しませんでしたが、せっかく春の山道を走るのに、雨では景色も見えないのでね。

　前回９月１２日に椎葉村に初めて訪れた記録がありましたが、それ以来7カ月ぶりになります。

その間、着々と工事が進んでいたのですな。

　実は前回椎葉村を訪れたのも、ただの観光ではなくて、視察も兼ねて・・・だったのでした。

実施設計のお手伝いをさせていただいた事務所併用住宅の敷地を、前回は通りすがりに見たのですが、今日訪れた時は景色が変わっていました。

もともとあったプレハブ事務所が無くなって、新築ほやほやの建物が建っておりました。

　工務店さんのお手伝いで、すでに決まったプランを実施設計するだけのお仕事でしたので、工事中の現場を見に行くこともなかったのですが、ご丁寧に「完成しました」とのご連絡を頂きました。ありがとうございました。

直接、施主さんから請けた仕事ではないとはいえ、携わった仕事なので、出来上がった姿を見てみたいと思うのは自然な事。

納まりを悩んだところは、問題なく出来ていて安心しました。

照明計画までさせていただいたので、その確認などなど・・・。

やはり実際に出来たところを見て、安堵したり反省したり・・・という作業がモノ作りにはとても大切なことだと思います。

機会を設けて下さった工務店さんには、本当に感謝いたします。

　道中の山々の景色は、それはそれは素晴らしいものでした。

木々の新しい芽吹きが、もこもこと山肌から沸いてくるような勢いです。

緑色・・と一口に片付けてはいけないぐらいの多様な色が、山をモザイク模様で彩っています。

車を走らせていると、停まって写真を撮りたいスポットがキリがないほどあったのですが、車移動はダメですね。ついつい素通りしてしまいます。

　九州山地のど真ん中の深い深い山奥の村は、雨上りの水蒸気と木々の芽吹きが生み出す酸素が入り混じったような濃厚な空気に、圧倒されていました。

　あの日から２年が経とうとしています。

施主さんは初対面の私に「ただ強がっているだけ・・・」と少し涙が潤んだ目をでおっしゃいました。

まだ２年、もしかしたら本当にそうなのかもしれません。

　春の芽吹きがもたらす目には見えないパワーを肌で感じつつ、

「まだ役目がある・・」と、少しホッとしたような施主さんの優しい微笑みに、もうひとつパワーももらったような気分で帰って来ました。

　さあ、私も頑張らねば・・・・。