木蓮

　西都原からの帰り道は、木城に抜けて、都農まで広域農道を通りました。

　最近は高速道路に乗ることが多いので、この道を通ることもあまりなくなりましたが、一時期は延岡から西都まで、頻繁に往復した道です。

西都より北の区間の高速道路がまだ出来ていなかった頃、都城の現場、西都の打ち合わせや現場がある時は、週に何度も往復していましたな。

　まだ30代だった頃、夕方、息子の保育園のお迎えの時間に間に合うように・・・と、いつも焦りながら走ったことを思い出しました。

　都農～川南～木城を抜ける広域農道は、尾鈴山の麓の肥沃な黒土の台地を貫くように通っており、、どこか北海道を思わせるような景色もあります。

春は堆肥の臭い香しく、黒土の表面に鮮やかな緑が芽吹く景色が見えました。

梅、椿、桜、木蓮・・・と、沿道の木々に咲く花も楽しめます。

夏は山の緑が濃く、空が青く広くどこまでも広がります。

秋は紅葉やすすきが美しく、畑ではトラクターが収穫作業でせっせと動き回り、

冬は山茶花が咲き、時には尾鈴山が真っ白くお化粧する日もありました。

　馴染みのあるよく通った道を走りながら、あるカーブを曲がった時に、思い出しました。

この先に、木蓮の木があったなぁ・・・。

　ありました、今年も見事に咲いています。

とても大きな木蓮の木、樹齢何年ぐらいでしょうか？

隣には桜も一緒に咲いています。

わぁ・・・と感嘆しながら脇見しつつ、一瞬通り過ぎましたが、やっぱり写真を撮っておこうと、思い直してUターンしました。

　高速道路がなかったので仕方なかったとは言え、週に何度も通っていたのだな・・・と、今考えると、ちょっとゾッとします。

若かったから出来たのだろうと思うけど、結構頑張ってたんだな・・・と、年寄りが若かりし頃を思い出すような気分になりました。

　時々、時間に余裕がある時は、通って見るもんだな。