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午前中、打合せ。
週明けから解体工事が始まる現場の、事前打ち合わせ。 かねてから土地を探していた施主さんが、ようやく要望に叶った土地を、昨年夏に見付けました。 既に住人のいなくなった空家が建っていますが、解体整地して引渡してもらう・・ということでご契約。 土地代金決済に向けて、昨夏から設計にとりかかり、諸々の準備が整いまして、来週から解体の運びとなった次第。 解体のスケジュールを聞くと、家の中にまだモノが残っているから、まずはそれを出すことから始めます・・とのこと。 解体して新築するのだから、中を見る必要はなかったのですが、鍵も開けてくださっていたので、不動産屋さんに許可を頂いて、室内を見せていただくことにしました。 もうそれは、ほとんど野次馬根性的な・・・。 ピアノは事前に運び出した・・とのことですが、室内にはまだ人が今でも住んでいるかのように、家具も生活道具もそのままでした。水屋の中の食器類もそのまま。 しかも、とってもきれいに掃除されていて、住んでいた方、相続されて管理されていらっしゃった方の几帳面さが伝わって来ます。 決して新しい住宅ではないのですが、お風呂場のタイルの目地にカビ一つなく、最後まで丁寧に暮らしていらっしゃったことが伺えます。 私たち世代が子供時代を過ごした昭和の暮らしぶりが、そのままに残されていて、私の実家ではないのに、実は私の家だった・・・と言っても疑わないぐらい、懐かしさでいっぱいでした。 本棚に、たくさん本が眠っていました。 日本文学全集とか、他にも箱付のハードカバーの全集が、各種シリーズで何種類もそろっていたり、難しい本もたくさんあり、インテリな方だったことが想像できます。 昔私も読んだパールバックの「大地」とか、向田邦子とか松本清張とか森村誠一とか山崎豊子とかも何冊も発見し、結構、趣味の似ている人だったのかもしれません。 こうしたたくさんの残された本たちは、埃かぶることもなく、きれいなまま本棚に並べられていました。 全然知らない前の住人の生活の痕跡を見てしまって、急に切なくなってしまいました。 まだまだ住める家、まだまだ使える物、昭和の時代に出版された数々の貴重な書籍・・・・。 核家族化、少子化、相続問題などなどのいろんな事情によって、残したくても残せない、庶民にはどうしようもないことが、日本中に溢れかえっているのだろうな。 それは同時に、私自身のことにも関係していて、実家が空家になったら・・・ということが、そう遠くない将来、自分の身にも降りかかってくるのだな。 切なくも悲しくも、暮らしの周りにいつもあった家財道具、生きる知恵や知識を増やし時には心を癒したであろう大切な書物も、いつかはただのゴミになってしまうのだな・・・・。 家の中を、施主さんと一緒に見て回りながら、切ない気持ちになると同時に、新たな決意に似た気持ちも湧いてきました。 前に住んでいらっしゃった方が大切に守って来た土地、丁寧に暮らしてこられた家に恥じないような仕事をしなければ・・・。 この人に住み継いでもらって良かった・・・と、天国から見守ってもらえるよう、施主さんが新しい生活をこの地で送ることを決めた「縁」を、私がぶち壊すことのないよう、愚直にこの仕事に取り組みたいと思いました。 画像無し
by aiarchi555
| 2022-01-08 19:03
| 仕事人
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