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連日のように「御料理ふくら」の現場に通っています。
何がそんなに気がかりかというと、外壁通気と屋根の通気と棟換気のこと。 今回は化粧垂木・化粧野地板で、軒天を張らないので、外壁通気の空気の出口を軒裏換気部材で取る・・ということができません。 さらに、屋根は和瓦葺き、軒先には一文字軒の役物を使用します。 これまた軒裏換気部材を取り付けることが出来ないため、屋根の通気の入口は?とか、瓦残は屋根勾配に対して横方向に取り付けるので、屋根の通気とか万が一水が入った時の抜け道は?とか、そういうことが気になっているのです。 設計の段階でも、ものすごーく時間をかけて悩みながら描きました。 通気を重視するがあまり、雨水の浸入のことをおろそかにすると、たちまち雨漏りに繋がる部分です。 そして、雨は上から下に降るだけならいいのですが、時に強風を伴って下から吹き上げるような雨もあるわけです。 特に、ここは太平洋側の海から近い場所で、台風の通り道ですからね。 普段の雨では全く雨漏りしないのに、台風の時だけ・・・・ということも、実際に自宅で経験していますが、施主様の建物では許されないことですからね。 昔の和の木造建築は、断熱材も入っていないし、土壁や板張りなど自然素材を使った壁、屋根も木の皮やカヤ、粘土瓦などで葺かれていて、外壁通気が・・・とか、屋根の通気が・・・とか神経質にならなくてもいいぐらいに、ある意味、いい意味で隙間や空間が随所にあったわけです。 現代の、ことに最近の木造建築のスタンダードは『高断熱・高気密』になりましたので、空気の動きを止めなければならない部位と、出来るだけ動かさなければならない部位とが、しっかり分かれていて、それを机上の空論にしないために、現場がちゃんと想定した通りに出来上がっていっているのかを確認する必要があるのです。 図面を描きながら悩み悩みした部分は、世間にはすでにたくさんの事例があって、それを研究したり調べたりしながら設計していったのですが、コスト面も考慮しながら、出来るだけ手間がかからず、市販されていて入手しやすい部材を使って、そして万が一水が入っても、通気層の中を伝って外部に排出できる構造にしたつもりです。 私にとって、初めて試みる納まりだったり、初めて使う部材だったりするので、実際のモノを見てみたい・・とか、どんな風に施工されて行くのか、そして通気の道が途中で塞がれることなく、繋がっていっているか・・・それから雨は入り込まないか・・・ということを、日々変化していく現場で、今後の為にも記録もしていきたい・・という思いで、足繁く通っているわけです。 その分、デスクワークの時間が減って、設計をお待たせしている施主様方には、本当に申し訳ないと思っています。 この場をお借りして、お詫びと言い訳を・・・。 気持ちは日々焦りまくっているのですが・・・・。 設計という仕事は、 間取りや、外観の見た目、素材や、見た目の色柄や、設備機器類を選ぶこと・・・だけではなく、 建物全体の空気の流れ、壁の中や屋根裏、床下などの、出来上がってしまったら見えなくなってしまう部分の空気の流れや、 設備の配管がどこをどう通って、どこから点検するのか、 断熱材の性能や、万が一雨水が浸入した時の排出のこと、 構造的な安定、地盤のこと・・などなど、 本当に多岐にわたっています。 まるで人体のように、それぞれがとても緻密に連携したり、繋がっていたりするのが建築なのです。 (なので、一部分にけ設計変更があっただけでも、ほぼほぼ全ての図面を修正しなければならなくなる・・わけです) 各部位ひとつひとつを細かく考えつつ、しかも、その部位と他の部位が相互に連携出来ているのか・・・、 そして、それを現場で施工して下さる職人さんたちに、伝わるように図面化する・・という作業が設計という仕事だと思います。 その煩雑さや、時間がかかることを嫌い、効率化・合理化して、標準仕様化したのが、ハウスメーカーや住宅ビルダーの仕事だと思います。 ああ、話がだんだんウザくなってきましたので、本題に入りまする。 今日は屋根の棟換気部材の納まりについて、瓦屋さんに現物を用いながら説明していただきました。 もともと私が設計で採用した部材とは違う部材を使用することになり、通気のルートや空気の排出について、自分の中で分からないことがありまして・・。 図面で指示したモノを違うモノを使うということ自体は、全然OKなのです。 実際にそのモノを使って施工した実績が豊富な業者さん達のご意見は、大いに参考になります。 私自身、屋根の棟部まで上がって打合せ出来れば良かったのですが、高所恐怖症で勾配や4.5寸の屋根のちょっぺんには、怖くて上がることができませんので、足場のてっぺんで可能な限り見えるように・・・、そして現場監督さんや大工さん、瓦屋さんが、いろいろと話しているのを耳を澄まして聞いておりました。 はい、合点がいきました。 屋根の通気層確保と入り込んだ水の排出のために、先に縦方向に通気残を取り付けて、その上から通常の瓦桟を横方向に取り付ける・・・という考え方は、十分に活かされることがわかりまして、ホッとしました。 構造金物の取付状況、筋交いの位置とPL金物の取付についても、全て検査しました。 そして前日、現場監督さんにお願いしていた施工の手直し点について確認し、これから施工する箇所について、大工さんと方法を共有して、さて、今日は帰りまする。 途中まで帰っていたのです。 が、信号で止まっていた時、帰る直前に大工さんと打合せして、ラフスケッチした図面が間違っていたことに気が付きまして…。 急遽、現場に戻ることにしました。 あんた、さっき帰ったんじゃなかったんかい?? 「あのぉ・・・、あとひとつだけ・・・」 さんざんあれこれと細かい指示を出してウザがられた挙句、また帰って来て、まだ何か用ですか??というシーン。 ああ、刑事コロンボのようだわ。 あまりのしつこさ、そして用事が終わって帰ったと思ったら、すぐさま舞い戻って来て質問を畳みかけるウザさ・・・。 現場監督さん、大工さん、全然嫌がらずに、ウザい話に付き合ってくださいまして、感謝申し上げます。 この、屋根、外壁の下地、構造金物取付ぐらいまでが、大きな最初の山場ですので、ここを乗り切ったら、現場通いのペースも少し落したいと思います。 刑事コロンボって、今の若者世代には、もしかして通じない??
by aiarchi555
| 2021-10-15 19:42
| 仕事人
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