椎葉村へ その③

　さて次は、上椎葉ダムに向かいます。

　施工　鹿島建設株式会社って彫られています。

「土木学会選奨土木遺産　2019」

　ダムのアーチの上は道路になっていて、このままダム湖を渡った先は、国道265号線と合流して、西米良村の方に南下していきます。

何台も車が通りました。椎葉村では普通に生活道路になっているようです。

　でも実はその下はこんなことになっています。

　まともに身を乗り出して下をのぞき込むようなことは、私には無理です。

カメラを落とさないように首に下げて、手を伸ばして当てずっぽうでシャッターを切りました。

　アーチの左右に二つ、スキーのジャンプ台のような滑り台がついていて、ここから放流します。

左右からの水が衝突することでエネルギー分散させ、ダムの躯体や底盤への影響を小さくする・・・をというような説明が、さっき行った展望台の掲示板に書いてありました。

　

　このダム工事で殉職した方を慰霊する女神像公園が、すぐ上のダムを見下ろす場所にあって、そこに移動しました。

　完成してから66年経ったということですが、この巨大なコンクリートの建造物の寿命はどのぐらいなのだろうか・・・？

コンクリートに亀裂がないか・・とか、異常がないか・・・というような点検は、日常的に行われているのでしょうけど、点検のためのキャットウォークがアーチの側面に付いていて、まさかあそこを歩いて点検するのか・・と想像するだけでも恐怖で冷汗が出てきます。

　上椎葉ダム建設の記録動画を見つけました。

南延岡から椎葉まで、セメントをロープウェイで運搬していたとは・・・・、驚きの歴史です。

膨大な量のセメントの貯蔵庫が、南延岡駅に作られたとのこと。

今やその倉庫も跡形もなくなってしまっています。

　さらに「上椎葉ダム建設記録　その１」という動画。

上椎葉ダム建設前の耳川の様子とか、水没前の集落の様子とかが収められています。

世界遺産白川郷のような、茅葺屋根の民家がたくさん建っています。

世界遺産級の秘境が、かつてここにあったのですな。