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わたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車には、「わっしー号」と「わたらせ渓谷号」の2種類の車両があります。
私が乗ったのはわたらせ渓谷4号。 通洞駅を出ると次の「原向(はらむこう)」という駅を飛ばして、その次の「沢入(そうり)」という駅に停まりました。 原向と沢入の間に、栃木県と群馬県の県境があります。 沢入駅は群馬県みどり市にあります。 この駅は見覚えがありますぞ。 TVで見たことがある・・・・。朝ドラ見ていた人は分かるかも。 「半分青い」で、律(りつ)がスズメにプロポーズしてあっさり断れられた緑色の跨線橋の階段。 ホームの景色を見ていて、え??もしかして??と思って、その場でスマホ検索しました。やっぱりか・・・。 すごい記憶力に自分でも感心しますわ。 結構、いろんな映画やドラマのロケ地として出てくるのですね、この鉄道。 昭和時代の景色を、セットではなく生で撮れる、貴重な生きた遺産だということですね。 「沢入駅」から次の「神戸(ごうど)駅」までの間には、長ーいトンネルがあります。 列車は「草木ダム」に近づいてきました。 首都圏の水がめと言われる、利根川水系のダムです。 首都圏の水不足のニュースなどで、よく耳にするダムの名前ですね。 爆発的に人口が増えた首都圏に供給される水、そしてもうひとつの理由は、足尾鉱毒被害を洪水によって下流地域に拡散させないための策でもありましたが、ダム建設の補償期間が長引いている間に、足尾銅山は閉山しました。 鉱毒被害うんぬんの話はうやむやにされたのでしょうかね?それとも、ダム建設のために足尾銅山閉山を切り札にしたのでしょうかね? そういう政治的な駆け引きは、いつの時代でもあったのでしょうな。 このあたりの集落も、ダムに沈みました。 もともとあった鉄道を、ダム工事に伴って付け替える工事も行われ、その工事でトンネルの中を走ることになったそうです。 先月の台風被害で、栃木県の小山周辺では、渡良瀬川が氾濫して、東武鉄道もJR両毛線も一部不通になりました。 その際、溜池として鉱毒を封じ込めていた谷中湖も氾濫しましたが、水質調査で基準値以上のカドミウムを検出したとか・・・。 一度起こしてしまった公害は、50年や100年ですぐすぐ無くならない・・・ということを肝に銘じなければなりません。 本当に長いトンネルでした。 トロッコなので窓がなく、トンネル内の風でモノが吹き飛ばされないように・・との注意のアナウンスもありました。 この長いトンネルの中も乗客を喜ばそうと、天井にはイルミネーションが灯され、乗客からは「わーっつ♡」と言う歓声も上がりました。 みんなスマホで写真撮りまくっています。 トンネルを出ました。 自然光が嬉しいです。 ちょっとした閉所恐怖症があるもので・・・・(高所恐怖症もありますが(笑))。 次の「神戸(ごうど)」駅で、ちょっと長めの停車です。 すれ違うのは、もう一つのトロッコ「わっしー号」。 この神戸駅では、ホームにお弁当や唐揚げや飲み物を売りに来る女性たちがたくさんいました。 使われなくなった廃車を利用したレストランがありまして、鉄道観光の目玉の停車駅となっています。 ダム湖の見学の拠点駅であり、近くには美術館の建設もあり、トロッコが走るシーズンには、こうしてホームまで売り子さんたちが来てくださるサービスもあります。 車窓の景色はだんだんと渓谷の景色から、大きな河川の景色になってきた・・と思ったら、また山深くなってり・・と繰り返します。時々トンネルに入ったり・・・。 神戸駅から、またお客さんがたくさん乗ってきたのですが、私の座っている窓際とは反対側のブースに、ご夫婦と3人の息子さんのご一家が座っていました。 私の座っている側に川が見え、反対側の窓からはあまりいい景色が見えず、せっかくトロッコに乗ったのに、気の毒だなあと思っていました。 小学校高学年らしき長男と低学年の次男、そしてまだ小学校に上がる前の三男・・という兄弟でした。 私は4人掛けのブースを独り占めしていて、向かいの席は誰も座っていませんでしたので、親御さんに「良かったらどうぞ」と声を掛けました。 最初はご遠慮されていましたが、景色が良くなった時に再度「どーぞどーぞ」と目配せをすると、長男と三男が私の目の前の席にやってきました。 あんまり話しかけたり構ったりすると、遠慮したり気兼ねしたりするかも・・と思って、窓の外をずーっと見ていましたが、だんだんと三男が眠たくなってきた様子で、窓にもたれながら瞼がどんどん落ちてきました。 その様子をちらちら見ながら、かわいいなあ・・・とたまらなくなりました。 お兄ちゃんは、弟が席からずり落ちないように、しっかり横から抱いて寄り添っていました。本当にしっかりしたお兄ちゃんです。 三男は、眠気に耐えられなくなり、そのままテーブルに突っ伏して眠ってしまいました。外気の風が直接当たるトロッコなので、風邪をひいてはいかん・・と、私はバッグの中に入れていたカーディガンを背中にかけてあげました。 すると、お兄ちゃんが「ありがとうございます」と小さな声でお礼を言い、弟を横から抱き支えながら、窓の外の景色を一生懸命眺めていました。 息子にもこんな小さな頃があったのだな・・と、ふと息子の幼少期の頃を思い出しました。廃線になってしまった高千穂鉄道のトロッコに一緒に乗ったことなどを思い出しながら、目の前で眠ってしまった小さな男の子と、もうすぐ中学生になろうかとしている少年が、たまらなくいとおしくなりました。 一人旅の3日間でしたが、最後にこんな気持ちにさせてくれた3兄弟に感謝です。 結構長いトロッコの旅でした。 お兄ちゃんが「ありがとうございました」とカーディガンを返してくれながら、弟を起こしました。 「いつも喧嘩ばっかりしてます」と言っていたお兄ちゃんですが、「喧嘩も今のうちしかできないからね」と笑って見送りました。 降り際、子供たちのご両親とご挨拶しましたが、あまり子供たちに「ああしなさい」とか「こうしなさい」とか指図せず、一歩引いて見守っている姿に好感を覚えました。元気でね!! さて、楽しかった旅のイベントもこれで終わり。 こっからは、この日お泊りする息子のアパートに向かって、ひたすら移動するのみです。 その47につづく。
by aiarchi555
| 2019-11-17 19:35
| 旅人
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