久しぶりだね

お昼休み、文化公園にやって来ました。
今日は、朝から宮崎に来ています。
佐土原で午前中の仕事が済んで、大好きなパンやさんに寄って、ここに来ました。


平日のお昼なので、広場で遊んでる人はいません。広い緑一面が、ますます広く見えます。
木陰のベンチには先客がいて、仕方ないので1本の大きな木の根元に腰かけました。


ここはいいなぁ。
何にもない緑の原っぱに、大きな木が立っているだけ。


パンを食べながら思い出しました。

そう、ここはかつて、宮崎大学の構内でした。
大きな木は、その当時から立っている木です。
今も残っている木の場所から、あの辺に農学部があって、あの辺が教育学部、、と思い出しています。


父は農学部の教員でした。
まだ、小学校の低学年の頃、我家に1台しかなかった車(小豆色のいすゞジェミニ)を、母が運転して一緒に父を迎えに来ていたことを思い出しました。

ラブラブ家族だった、、、ということではないのです。
4つ下の妹が先天性の心臓病だったので、清武の大学病院に入院していて、日中は母が車を使うためでした。
大学病院へは、まだ道も良くなかったので、当時は片道1時間ぐらいかかってましたかね。


そして母は、妹の夕食が済むと病院を出て帰宅し、夜8時ぐらいになって、私を車に乗せて大学に向かうのでした。


今は県立図書館になっている側の駐車場の入り口は、かつて宮大の北門になっていて、そこから車で入り、木々の間の構内道路を通って農学部の父の研究室棟の前にクルマを停め、そこからは私一人で父の部屋まで呼びに行く、、という。
母は父を呼びに行くのが嫌で、私を連れていっていたんだと思うんです。


当時はまだ木造の建物で、歩くと廊下がミシミシ言っていました。
そして、暗かったな。


父を呼びに行っても、すぐには帰れず、ダラダラと帰りの支度をするのを待ちながら、水槽の中の生き物を見たりしていました。
その間、母は車の中で、ぼーっと待っていたのだな、、、と、今初めてそんなことに気づきました。
きっと疲れていただろうから、そういう一人の時間もあって良かったのかもしれませんが、、、。
「遅い」とか文句を言われたことはなかったと記憶しています(笑)



当時立っていた木が、全部残されているわけではないでしょうから、今ここに立っている木は、たまたま残っただけかもしれません。


そして、その根元に座ってお昼ご飯をたべながら、もう40年以上も前のことを思いだしたのは、何か偶然ではなく、この木が、私に挨拶をしてくれたのかもしれません。

「やぁ、久しぶりだね。
君も歳をとったね。
僕はまだここにいるよ。
それにしても、いい天気だね。
ゆっくりしていくといいよ」


1時になりました。
芝刈機のエンジン音が鳴り出して、午後の活動が始まりました。


私は1:30からの用事なので、もう少しゆっくりしていきます。