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今日のニュースから。 北海道大学の総長がパワハラで下ろされようとしている・・・。 北海道大学と言えば、私の中ではこんな印象。 大学というアカデミックな研究の成果を、戦争利用や武器開発に使わせない・・という理念を、HP上でアピールしている姿に共感を覚えています。 今回の総長のパワハラ問題が、このことと何らか関係があってのことだったとしたら、この国は本当に恐ろしい方向に向かっている・・と思います。 今日のお昼休み、たまたま付けたTVで映画「日の名残り」を放送していました。 ノーベル文学賞のカズオ イシグロ原作の作品です。 そのワンシーン。 アンソニー・ホプキンスが演じる主人公は、英国貴族の館で主人に忠実に仕える執事です。 秘密裏に集まった客人に飲み物を持ってきた、その執事に対して、客人が政治的なことを3つほど質問します。 執事はどの質問にも「私にはわかりません」と、使用人としての態度をわきまえた答えをします。 しかし客人は、それ見たことか、、、素人の一般市民に政治を任せられないことがこれでわかったろう・・と嘲笑うシーンでした。 この映画は、年老いた執事の哀愁を描いたものかと思っていましたが、実は全然違いました。 とても政治的な思いが込められていると思います。 欧州における二つの世界大戦の時代に呼応するように、執事の人生を重ね合わせた物語でした。 執事が人生をかけて仕えた「主人」は、結果的にはナチスに加担するようなことになってしまったけれど、本来は「善意」に満ちたいわゆる英国紳士でした。 その平和主義的で温厚な「善意」を、利用する悪い力がある・・という歴史の教訓を、ストーリーに織り交ぜて、皮肉たっぷりに見せてくれていると思いました。 カズオ イシグロ・・・読んでみたくなりました。 現代の日本。 いわゆる「善意」から、様々な社会活動をしたり、ボランティアに励んだり、他人に同調したりする人々を、利用しようとする力があります。 その活動を、さも支援しているように見せかけたり、そういった活動をしている人々の集団の力を利用して、ある種の危険な「空気」を創り出そうとする力があります。 そして、若者の政治離れを助長させ、選挙になったら「投票率が低い方がありがたい・・・」と恥ずかし気もなく豪語し、一般市民の「善意」を影であざ笑っている力があります。 昨晩、前に録画していた「始発物語」を見ました。 年金だけでは暮らせない・・と、70歳を過ぎても朝5時の始発電車に乗って、都心部に「清掃」の仕事に向かう人たちがたくさんいました。 番組のスタッフが、朝の始発電車に乗ろうとしている人に、「なぜ始発に乗るんですか?」とインタビューし、 「仕事です。始発に乗らないと間に合わないので・・」 「よかったら、どんなお仕事か教えてください」 「清掃の仕事です」 「失礼ですがお年は?」 「75歳です」 「その前はどんなお仕事されていらっしゃったんですか?」 「自営業をしてまして・・・」 とかいうようなやり取りを、何人もの人とするわけですが、たまたまこの駅だからだったのか、「清掃」の仕事をしている高齢者が多かった・・・。 この間のNHK「プロフェッショナル」。 清掃のプロの女性。 世界一清潔な空港と言われる羽田空港。その清掃に携わっていた女性の特集。 その女性は、今、空港の仕事から、一般家庭のホームクリーニングに職場を変えていました。 中国残留孤児の子孫として中国で生まれ、壮絶ないじめを中国でも日本でも受けてきた女性が、「清掃」の仕事で日本一になる・・・。 「「清掃」の仕事は、下に見られる、それは中国でも、日本でも・・・」と涙を流しながら話たあと、それ以上の笑顔で仕事のことを語る姿が印象的でした。 「お金を儲けようとか思わない・・・、仕事が好き」 といった趣旨の言葉もありました。 人々から「下」に見られる仕事で蔑まされ、低賃金にも関わらず「世の中がきれいになれば嬉しい」という「善意」を「美談」にし、その実、裏では、そうした人々に「老後の蓄えは自己努力で・・・」と真顔で言ってのける国。 そしてせっせと毎日始発電車に乗って清掃の仕事に向かう老人たち。 今日のニュースから、ここ数日間に見たり知ったりしたことへ、どんどん思考が移っていったけど、その行きつく先は、どれもこれも同じところにつながっている・・と思いました。 長年仕えたご主人様が失脚し、亡くなった後、館はアメリカ人の手に渡ります。 かつて「善意」からドイツを救おうとした主人に真っ向から対立意見を述べた、あの若いアメリカ人です。 アンソニー・ホプキンス演じる老執事は、そのアメリカ人を、新たなご主人様に迎え、どんな人生の最後を迎えるのか・・・、そのブルーの瞳がなんとも切ないのでした。
by aiarchi555
| 2019-07-11 19:55
| 俗人
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