土曜日。
今日は終日お休みにすることにしました。
先週は土日も深夜まで仕事しましたので、今週はゆっくりしようと決めておりました。
さて、朝はゆっくりめに起床。
猫たちにご飯を・・そして猫部屋の掃除とか、猫にブラッシングとかしていたら、あっという間にお昼。
大量の猫の毛が収穫できました(笑)。
お昼前からぱらぱらと雨が降り始め、猫部屋の中から、外猫のお昼寝観察も・・・。
日頃、あまり登場しないエメさんを・・・。

あまりにも気持ちよさそうに寝ているので、ブラッシングできなかった洋次郎。
いつまでも猫部屋から出ていかない人間に警戒するチーコ。
お昼からは、「いだてん」の再放送を。神回ですね、今回は・・・。大竹しのぶのセリフが響きました。それから、橋本愛の涙にもやられましたね。脚本が素晴らしいからでしょう、登場人物ひとりひとりのセリフや演技が、ズシンズシンと胸に来ます。
関東大震災のことは、その歴史的事実は知っていても、当時の東京の様子とか、市井の人々の避難の様子と避難所暮らしとか、そういう一番弱い立場の人たちの目線から見た関東大震災については、全然知らずにいましたし、このドラマでは、そういう知らない部分についてまるまる1回分の時間を使って、丁寧に描いていました。前回の放送回では、行方不明の人を探し回っている人に「日本人か?日本人か?」と言って、複数の一般市民が詰め寄り暴力を振るおうとしてる場面もありました。この震災のどさくさに紛れて、とても多くの朝鮮人が虐殺された・・という歴史も、ほんの一瞬ではありますが、描こうとしていたと思われます。
私の祖母は、震災当時、まだ10代の少女でしたが、祖母の住んでいた雑司ヶ谷の現在の目白台界隈は、火災の被害はなかったようで、おそらく避難所ではなく自宅に住み続けることが出来たのではないかと想像します。またまた、ネットの力を借りて、関東大震災当時の大塚、目白、雑司ヶ谷界隈のことを調べてみています。
それから、いつも楽しみにしている新聞の土曜版。「悩みのるつぼ」、今回の回答者は上野千鶴子先生。相談者は60代女性、「友だちがいないことが寂しい」というお悩みに対して、先生の回答は心の底から共感でき、胸がスーッとします。
その上の欄の記事は「全集」家にありますか?という統計データ。「はい」「いいえ」それぞれの回答者のコメントが興味深いです。
このブログを書きながら、Eテレで、ベニシアさんの番組「猫のしっぽカエルの手2019~初夏」を見ています。イギリスの貴族の家に生まれ、日本にやってくるまでの人生、写真付きで・・・。妹のルルさんが初来日して、ベニシアさんを訪ねます。貴族の社会にいたベニシアさんのお母さんも、その後アイルランドに移住してレストランを始めた・・・と話します。
子供の頃、貴族社会で生きていけるよう、厳しく育てられたベニシアさんが、母との思い出を語ります。その母のことを、ルルさんは「彼女はアイルランドに移住してから変わった・・」と。二人とももうご高齢ですが、異国の地でそれぞれ暮らす姉妹が、お料理が上手だった母の懐かしい思い出を語る姿に、なんか胸がジーンとしました。
もう人の介添えがないと、歩くことも不自由があるほどお歳をとってしまわれたベニシアさんですが、この番組から刺激を受け、学んだこともたくさんありました。
新聞社会面。ハンセン病家族訴訟の原告団長、林力さんの言葉。 「恥ではないものを恥とする時に、本当に恥になる」
若かりし頃、社会からの冷たい仕打ちに、病気の父を疎ましく思い「父は小さい頃に死んだ」と言って結婚し、生まれた娘にも父のことを隠し、一度も父と孫は遭うことなく、父は療養施設で亡くなった・・と。94歳になった林さんの、人生の苦しさを想像します。そして、そのような人々が、この日本に数多くいた・・・・ということですね。ここ最近、「結局、力の強いものが生き残る世の中なんだよね・・・」と思わされることが多かったニュースの中で、声を出すこともできなかった弱い人々に寄り添った判決が出たことに、救われる思いがしました。
旅から帰ってきたベニシアさんが、京都大原の自宅のお庭で、自分で焼いたパンケーキを食べながら、「ほんとに大原きれい・・・」と穏やかなかすかな声でつぶやいて番組が終わりました。ベニシアさんの言葉を聞くことが出来るのは、これが最後なんじゃないか・・ふと、そんな気がしました。
何も予定を入れず空っぽにした時間に、思いがけず、素敵な番組や胸に響く言葉と出会うことができた休日の午後でした。
50歳を過ぎて知ることが出来る、人生の境地なのでしょうね、きっと。