小泉八雲 熊本旧邸

　パン屋さんから徒歩3分？もしないぐらいの、すぐ近所。

熊本市有形文化財に指定された「小泉八雲旧邸」を訪れました。

　小泉八雲　本名ラフカディオ・ハーンは、40歳の時に日本にやってきました。

最初は島根県松江市の松江中学校の英語教師でした。

　私は父が鳥取の出身だったので、お盆に帰省する際、島根を通った時に、松江の小泉八雲旧邸には子供の頃に行ったことがあります。

そのせいか、何となく親近感を覚えるというか、知らない人ではないような感覚があるわけです、勝手に(笑)

　子供の頃に伝記で読んだ人物とか、昔からファンだったアーティストが、あたかも自分の近しい人のような錯覚を覚えるのと似てる感じ・・・わかるかな？

で、その昔からよく知っている偉人の家を訪れた・・的な感じでお邪魔したわけです。

　
　八雲は40歳で日本に来て、松江中学校、熊本第五中学校（現在の熊本大学）、その後東京帝国大学（現東京大学）、早稲田大学で教鞭をとり、54歳で亡くなったのでした。
　40歳からの14年間で、たくさんの本を出版し、日本文化に深く影響され、また逆に日本文化に多大な功績を残したと思うと、私の人生もまだまだこれからなのかな？？と希望を感じたりもします。
　今日訪れた旧邸の中でも、この８帖のお部屋を気に入り、書斎として使っていたそうな。障子の先にお庭が見える部屋、本当にいいお部屋でした。隣の部屋には、縁側に風鈴が下がっていて、木製建具を開けると、風に揺れて涼しげな音を鳴らしていました。今日は夏のような暑さでしたからね、日本の家の夏の風情を感じさせていただきました。
　もともと八雲は、ギリシャの生まれ（英国人の父なので国籍は英国人だったけど、その後日本に帰化しました）なので、明るく温暖な気候を好んでいたんじゃないでしょうか？熊本に移住してきたのも、松江の冬の寒さが嫌だったから・・・とか。熊本の温暖な気候と、この緑が見えるお部屋は、八雲が日本での生活を一番満喫した時間だったかもしれません。
　熊本第五中学校に赴任してきた当時、校長は大河ドラマ「いだてん」登場する、嘉納治五郎先生だったとか。当時の集合写真とかも飾ってあって、興味深々。

　文豪、夏目漱石と年代的にはダブっていなかったそうですが、八雲が東京帝国大学に移ったあと、漱石が熊本第五中学校に赴任しています。そして、その後、またも八雲が帝大を去った後任として、漱石が帝大に赴任する・・という運命。
漱石は八雲のことをとても意識していたそうです。
　八雲も漱石も、東京の雑司ヶ谷霊園に眠っていますが、前の記事に書いた曽祖父の自宅は、小石川区（現文京区）雑司ヶ谷にあり（店と自宅は別の場所にあった）、祖母はそこで生まれ育ったのでした。
　生きているうちに、雑司ヶ谷界隈も歩いてみたい・・。「いだてん」の舞台、文京区大塚から、目白あたりまで散策してみたいです。
　それにしても、玄関先にも、縁側の方のお庭にも、幹の太い巨木があって、家と共に歴史を見続てきた「木」の存在感に自然と目が行ってしまうのでした。　我が家の庭のモミジも、いつかこんな風になるといいなあ・・。その頃にはもう私も死んでるのだろうなぁ・・・。ということは、この家も土地も、もう処分されてしまっているのだろうな・・。