勇気と根気と熱意

　午前中、日向市の施主さん宅で打合せ。

　昨年？いや一昨年の年末ぐらいにご相談を頂いた施主さん。

当初からお待たせしてお待たせして、ようやく昨年の夏頃から本格的にプランの打合せがスタートしました。あれから１年経つのですな。

一旦は実施設計が８割ぐらい完了して、見積作業まで進めていたのですが、諸事情でその間取りをやめることにしたのが、２か月ぐらい前のこと。

　仕切り直して、新たな間取りを考えること２か月。

施主さんも積極的に自らプランの案をいくつも出してくださり、今日はその案も含めての打合せでした。

　第一種低層住専地域で建ぺい率50％、敷地はそんなに広くない、でも南側には絶対に家が建たない立地条件を気にって購入された土地でした。

ネットや雑誌などで、たくさんの住宅の写真や間取りが簡単に見られる時代になりましたので、情報はあふれています。たくさんのイメージ画像も頂きましたし、施主さんの好きな雰囲気やモノやことは、私の中でもだいぶ共有出来てきていると思っています。

　その施主さんの「好き」をどう形にしていくか、

どんなふうに暮らしていくか、また、これまでの暮らしの何を変えなければならないのか、

限られた広さの中で、時間経過とともに、空間をどんなふうにコンバージョンしていくのか、

今の年齢から歳をとっていくにつれて子供は成長し、親の介護のことも考え、そして最後には夫婦二人になっていく生活スタイルを長いスパンで想像し、それでも無理なく暮らしていくことが可能なのか、

必要な収納力は確保されているのか、

　これまで、たくさんの間取りを、あーだこーだといじくりまわし、最大の課題である予算のことも考慮に入れ、今日、ようやく施主さんも私も納得する間取りにたどり着いたような気がします。

　ある程度、着工寸前まで進めていた設計を、一旦捨てる勇気と根気と熱意・・・施主さんも私も・・。

　きっとこれまでも、紙の上の間取りの中で、実際に生活しているシミュレーションを何度も何度もしたはずです。その度に、あー、ここがダメだね・・としっくりこなかったことが、今日、すっきりしたような気がします。いろんなことをあきらめたり、満足ではない部分もあるかもしれませんが、納得して決めた間取りになったのではないでしょうか？

　一旦実施設計が終わるぐらいまでに進めていたので、材料や設備、仕様などは、これまでの設計内容を踏襲します。

間取りが決まったからには、あとは、私がスピードを上げて実施設計に取り組むだけですな。