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今回の東京の旅で、一番行きたかったところに向かいます。
とてもラッキーなことに、江戸東京たてもの園と同じ沿線にあります。 小金井市から、西武新宿線の各駅停車の電車で練馬区に戻ってきました。 上井草駅から徒歩で向かいます。静かな住宅地の中を歩きました。 午後からの降水確率が少し高めだったので、折り畳み傘を持ってきてはいますが、出来れば降ってほしくない・・・、でも降ってきそうな空気。 以前からずっと訪れたいと思っていた場所でした。住宅地の角を曲がって、赤いガルバの外壁が見えた時、ああ、来たんだなと嬉しく思いました。 到着早々、まずはお昼ご飯を頂きたいと思っていましたが、館内のカフェはあいにく満席。少し時間をおいたら席も空くだろう・・と、先に展示を見ることに。 昨日まで、あちこちの美術館で、世界の名作と言われる絵画をたくさん見てきました。でも、涙が出ることはありませんでした。 一番心を動かされたのは「幼年画集」。 茂田井は1908年に東京日本橋にあった東京でも有数の旅館の次男として生まれ、無邪気で明るい幼年期を過ごしたそうです。関東大震災で生家が焼け、15歳の時に母が病死、父の再婚相手と上手くいかず、生活環境が変わってしまいました。美術学校を目指しますが失敗。その頃、中原中也と知り合っています。 シベリア鉄道を乗り継いでパリに行き働きながら独学で絵を学びました。 日本に帰ってきてからは、決して楽な生活ではなかったとのこと、時代が戦争に突入し、召集されて中国に出征し北京で終戦を迎えました。復員後、あふれるような勢いで自由に絵を描き出した・・とのこと、3人の子供と過ごしながら絵を描く生活、そして病気を患い48歳で亡くなりました。 「幼年画集」は、戦後、茂田井が幼年時代の記憶を描いた小さな画帳です。それはまるで絵日記のように、絵の脇に当時の思い出が書き記されていました。大人になって、戦争を体験した後、自分の幼少期の無邪気な思い出を描く心境・・・、忘れたくない思いでを描くことで鮮明に思い出していく作業を想像すると、涙が出てきてしまったのです。母がまだ生きていた頃の幸せだった自分、15歳で母を亡くした寂しさ、茂田井の心の奥に深く何かを残していたのでしょう。そして、3人の子供の父親になってからの「父と子のノート」を見て、ますます目から出るものを止められくなってしまいました。 奈良さんがこの展覧会を引き受けて、千点を超える作品のひとつひとつを見て、作品を選んだそうです。「セロひきのゴーシュ」で広く知られるようになった茂田井の絵の奥には、これだけの絵があることを見せたかった・・・とのこと。 かわゆき赤子よ いそがしくても あわてない くるしみなんぞは 感じない 心はうんとゆたかに生きて 大きな大きなものになれ 茂田井は、画家でもあったけど、詩人でもあったんだな。 茂田井の日記のこのフレーズを読みながら、一人でオープンキャンパスに出かけた息子を、ふと想いました。 息子は、親が言うのもなんですが、出来のいい息子です。今回、東京の大学のオープンキャンパスに行きたいと言うので、第二志望の大学・・ということで来ましたが、数日前にあった三者面談では、第一志望の大学でも、もっともっとレベルの上の大学に行けるのに・・・と言われました。どこの大学を出たとか、偏差値がどうだ・・・とか、有名な大学だと就職が有利だ・・とか、そんなことより、自分がやりたいことをしたい・・と、自分で調べて決めたことを、もっと尊重してあげなくては・・と思いました。 展示室を出て、一旦クールダウンします。 カフェの2人掛けテーブルはまだ満席でしたが、大きなテーブルが空いていました。一人占めするのは申し訳ないと思いつつも、座って一休みさせていただきました。 目の前には左右2つのお庭があります。 右のお庭は、ちひろのアトリエから眺められる小さなお庭。 左のお庭は、エントランスから見える広い中庭で、屋外カフェテラスにもなっています。 この美術館の建物は、内藤廣の設計です。そのことも、ここに来たかった理由の一つです。 構造は鉄骨造一部RC造の3階建て。 座っていたテーブルの脇には、無骨なRCの壁がむき出しです。 ![]() ![]()
by aiarchi555
| 2017-08-02 15:27
| 旅人
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