東京 その⑦ 江戸東京たてもの園

　前川國男邸を出ました。近場にある、西ゾーンのたてものだけに絞らないと、午後からの予定に響きます。

なので、目の前にあったたてものに・・・。

「小出邸」　1925年　　設計：堀口捨巳

　玄関とか水回りとかしか写真撮らなかったですが、モダンな洋風の外観に、畳の続き間があったりして、「THE和洋折衷」というような住宅でした。調べてみたら、堀口捨巳の初期の作品、おそらく住宅設計の第１号ではないでしょうか？

若かった頃の住宅設計、きっとあれやこれやとやりたいことを取り入れてチャレンジした建築だったのではないでしょうか。

　もう１軒。

「常盤台写真場」　　1937年　

　グレージュ色のモルタルの壁に、目を引かれました。当時もとてもモダンで目を引く建物だったに違いありません。一番興味を持ったのは、中に展示してあった「常盤台住宅地案内図」。昭和14年の地図です。東武電鉄が開発・分譲した住宅団地だったのですね。まだ売れていない宅地もあって、当時の新しい住宅団地だったようです。GoogleMapの航空写真で、現在のときわ台を見てみました。その当時の街路、駅前のロータリーもそのままです。面白いですね。そしてもっと感動したのは、当時この写真場があった場所は、現在もフォトスタジオとして営業しているということです。建物こそ建て替わっていましたが、地元の写真館として代々頑張っていらっしゃるのですね。北と西が道路の角地に建っていました。道路に面する方に大きな採光窓を設け、自然光を十分に取り入れて撮影ができるように設計されています。

　古い建築には、その建物だけでなく、それが建っていた当時のその土地のことまでも思い起こさせる力がある・・・、楽しい見学ができました。
　さて、この時点でもう昼過ぎです。このまますべてのたてものを見ていては、ここで一日が終わってしまうぞ！！後ろ髪を引かれつつも、江戸東京たてもの園をあとにしました。
　またまた小金井公園西口からバスに乗って、花小金井駅に。各駅停車の電車で上井草に向かいます。
　その⑧につづく。