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昨年から始まったビルダーさんとのコラボ。
ちょうど1年ぐらい前にプランの打ち合わせをさせていただいた住宅が、先月、今月と完成ラッシュです。 プランが決定するまでには、数回、施主と直々にお会いしました。敷地条件、ご家族構成、ご要望などの聞き取りをしてから2週間ぐらいお時間をいただいてプレゼン。その後、早い場合ではあと1回、もう少し時間がかかる場合はもう数回・・・とお会いして、間取りと立面が決定するところまでを担当させていただきました。 今日はそのうちの1軒を訪れました。 このお宅は、他の案件とは違い、仕様決めまで携わることになった住宅です。カーテン工事を個別に請けることになったので、その取付工事に伺いました。 プランのご要望のヒアリングでは、そのご家族ごとにそれぞれの事情やライフスタイルをお聞きすることになります。お体の不自由な方が一緒に住まわれる・・・、夜勤があるので昼間寝なければならない・・・、子供部屋はオープンなスタイルがいい方もいれば完全個室をご希望される方、ペットを飼う方、家にトレーニングマシーンを置く方、趣味のプラモデル室と塗装ブースが欲しい方・・、家で教室を開きたい方、とにかく本がたくさんある方。注文住宅ですから、ご要望に沿えるようなご提案ができるよう知恵を絞ります。 そしてそれぞれの家は、他にはない、そのご家族だけの解を持ったプランになったと思います。 さて、今日訪れたお宅も、いろいろなご事情やご要望を、施主が納得されるプランにまとめることができた・・と自負する住宅です。しかも、その後の仕様決めまで関わった住宅ですので、仕上がりにはとても興味がありました。 多くのハウスメーカーやビルダーでは、「標準仕様」というものを持っています。材料や工法など、その標準仕様を守って建てることで、その会社の家づくりに対するポリシーを守ることにつながります。またメーカーやビルダーは注文を請けた住宅を、いかに早く建てて回転率を上げるか・・ということが売り上げにつながりますので、なるべく手間のかからない「合理化」「経済性」を優先した標準仕様を持っていることが多いと思います。 そうしたメーカーやビルダーの仕様決めの打ち合わせは、主に、既製品の部材のデザインと色を決めることに終始します。既製品ですから、寸法などは最初から決められたバリエーションの中から選ぶことになります。 標準仕様ではない、オリジナルなものを造作することになると、一気にコストが上がってしまう・・ということにもつながります。ですので、なるべく標準仕様の範囲の中で打ち合わせを進めることが、コストの面では施主のためになる・・というのが、メーカーやビルダーでの仕事に仕方になります。 そうして出来上がった住宅は、なぜか、どれも同じように見えてしまうのですね。プランの段階ではオンリーワン感満載で、面白い家になりそうだ・・・と期待するのですが、つるつるのシートで加工されたフローリングや建具、多種多様な色柄が選べるサイディングボード。天井にたくさん空いたダウンライトの穴、部屋ごとに違う色柄満載のビニールクロス。 ビルダーの下請けの確認申請屋として独り立ちし、この歳になるまで、数えきれないほどビルダーさんの造る住宅を見てきましたが、住宅の質は「素材」と「手間」なんだな・・・と改めて思います。 だんだんと歳をとってきて、自分が建築に携われる時間も少なくなってきます。 本当に造りたい住宅を時間をかけて造り上げることを、真剣に考えていきたいなあと思うのでした。 少しずつそういう取り組み方に原点回帰して行きたい・・・・と思うのでした。
by aiarchi555
| 2016-10-06 18:45
| 仕事人
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