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8月7日。
「聴竹居」。 1927年(昭和2年)竣工。藤井厚二。 事前に11時からの見学を予約していましたが、少し早めに着いたので、外観や周辺を見て時間を潰そうと、10時過ぎに敷地の前をうろうろとしていましたら、同じように早めに着いた見学者がもう一人いらっしゃり、管理人さんが「暑いでしょうから、どうぞ」と時間前にも関わらず、中に入れてくださいました。そして、内部の写真撮影は、事前にネットで印刷して持参しなければならない撮影許可書が必要なのですが、それを提出すると、11時になる前にゆっくり写真を撮ることもできました。 藤井厚二の実験住宅として有名な建築。現代で言えば、環境工学・・といういう分野になるのでしょうか?木造の住宅で、気密性、通風、湿気を逃がす工夫、熱伝導・・・など、様々な取り組みを盛り込んだ住宅という前知識で訪ねましたが、実際に訪れてみた感想は、そのような工夫を、これ見よがしに主張せず、とても巧みにデザインすることで、こんなところにそんな仕掛けがあったのか・・・と、一見わからないようにした、昭和のモダンデザイン住宅という印象。 11時になり、予約していた見学者がそろってから、管理人の方の説明と案内が始まりましたが、聞かなければわからなかったことがたくさん。細かい部分にも妥協のないデザイン、そしてその裏に隠された細工の意味、一つ一つがとても意味のある仕掛けになっていて、聞けば聞くほど面白い説明でした。 屋根勾配を決めるポイントは何だったか、軒やひさしの出とそれを支える屋根組の工夫、ガラス窓の桟の位置と透明ガラス・刷りガラスの比率の意味、木製ガラス窓の気密性を保つ工夫、天井裏換気の細工、床下換気と埋設した土管からの風の取入れ、納戸の風通しを良くする窓と建具の寸法の工夫、浴室の天井の結露によって天井裏が腐らないようにする仕掛け、台所で生ごみが臭わないようにする仕掛けなどなど。 また、造形的な工夫、例えば照明器具や素材、家具の設計に至るまでの、繊細な気配りやユニークな仕掛け、当時の生活様式や日本の伝統的な住まい方の文化に根差した工夫。 例えば、当時まだ着物での生活が主流だったので、応接室の椅子は、着物の帯が崩れないような背もたれの角度や高さに決められ、座面のクッションも正座して座れるように工夫されているとのこと。 ほかにも、台所からダイニングに食事を出すカウンターの高さと目線が合わない工夫、食べ終えたお皿をキッチンに戻す棚の位置や高さの配慮。 それに加えて、欧米に渡った際に学んだ洋風住宅の手法やデザインも取り混ぜられています。 キリがないほどの設計に込めた思いや工夫が込められた住宅。数ある藤井の実験住宅のまさに集大成といえる作品。温熱環境に配慮した実験住宅で、しかも夏の気候に対する配慮は、多岐にわたっています。その住宅に、実際に気温が37度にも達する日に、中に入って体験できる・・・というのは、本当にうれしいことでした。当然、エアコンはついていませんが、中はひんやりした空気でした。 写真はたくさん撮ったのですが、内部の写真は個人的目的にしか使用しないことを誓約しておりますので、最小限の枚数のUPにします。コピー厳禁でお願いします。 2時間以上滞在しました。
by aiarchi555
| 2016-08-13 00:29
| 旅人
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