暮らしのかたち

　ひとつリノベーション現場をお引渡ししたとたん、急に前触れもなく、新たなリノベの現場がスタートしました。

　前職でお世話になった設備屋さんからのご相談で始まった件。申請も必要ない規模でのリノベで、段取りもすべて知り合いの大工さんがするから・・・ということで、簡単な間取り図だけ書いた仕事でした。

　敷地は100坪以上もあるような広さ。平屋の立派な母屋の脇に、車庫兼倉庫として建っていた平屋の建物が今回のリノベ対象部分。母屋に同居していた娘一家４人が、この車庫兼倉庫だった建物に移り住む・・・ので、住宅としてリノベして欲しいというご要望。用途を変える改修工事のことを、リノベーションではなく、コンバージョンと、最近では言うらしい・・・。

　車庫や倉庫の割には、瓦屋根だしサッシも付いていて、なかなかしっかりした造りでした。
ただ、7ｍ×5ｍの建物（約10坪強）に家族４人が生活するのは無理がある・・・ので、申請が必要ないギリギリのところで増築をすることにしました。1.95ｍ×5ｍ＝9.75㎡の増築。
それでも44.75㎡（13.5坪）。賃貸の2LDKぐらいの㎡数でしょうか。

　この空間に家族４人が暮らせるように間取りをするわけですが、実は、私にご相談がある前に、すでに別の設計事務所さん（この車庫を建てた時の設計をされた方）が、図面を作っておられましたが、横やりを入れてしまったわけで・・・。
でも、どこで寝るのか、どこでご飯を食べるのか・・・暮らしのイメージがしづらい間取り図であることは否めませんでしたので、思い切って別のご提案をさせていただきました。


　この限られた空間で、排水経路的に水回りの位置は限定され、子供室は２つ欲しい、勤務時間が不規則なご主人の寝室への配慮・・・などなど、自由の利かない条件もいろいろありつつ・・・、そうこうしているうちに、本当にここに４人住むのか？？という疑問も生まれ始め、母屋にお風呂を借りに行けばいいのに・・・とか、勝手に人様の生活スタイルにいらん世話をしてみたり・・・。

　結果、13.5坪に４人家族が生活する暮らしのかたちがまとまりました。
キッチンもお風呂も洗面所もトイレも新しく設けます。それなりに収納も確保できました。日当たりのいい部屋でご飯を食べたり、テレビを見たりすることもできます。子供部屋も２つ個室で確保できました。

　急に、大工さんの空いた時間の都合なのか、どたばたと工事が始まって驚きましたが、先週末には、設備機器類の詳細も決まり、床や建具、建材などの色も決まりました。サッシもすべてペアサッシに取り換えます。


　というわけで、監理までする必要もないのですが、果たして４人が無理なく暮らせる家になるのか、とっても興味がありますので、足繁く通わせてもらいます。