ミモザの花

　昨日、リノベーションの現場が完了し、お引渡しいたしました。
午前中カーテン工事が行われ、午後から住設器具類の取り扱い説明をし、その後、竣工写真撮影をさせていただきました。

　土日のうちに、施主さんは待ち切れずに、リノベが終わった部屋に、ものをどんどん運び入れていました。話には聞いていた私物コレクションの数々を、初めて拝見しました。

　完成したてのがらんどうの部屋よりも、生活ぶりがすこし垣間見える写真の方が、人の暮らしの温度が現れるのか温かみのある写真になるので、いわゆる建築の竣工写真というよりは、リノベーションのその後の生活・・・的な写真になりました。

　修理に出していたダイニングテーブルも戻ってきていたので、テーブルに花を飾りたくて、お昼休みにお花屋さんに行ってきました。
黄色いミモザの花を飾りたい・・と、前々からイメージしていたので、あらかじめお花屋さんに電話してミモザがあるか確認してくという用意周到ぶり。

　思い返せば、一昨年の秋、初めて施主さんからお電話をいただきました。
いろんな壁にぶち当たりました。一旦はお断りすべきかな？？とあきらめかけたこともありました。が、終わってみて、施主さんは「もっと早くやっておけばよかった・・・」とおっしゃってくださいました。

　お一人暮らし、施設に入居された高齢のお母さまの介護、施主さんご自身の体調、地区の集落の高齢化、地区の過疎化、これからの生活を想像すると、明るい光ばかりではないことも想像します。
そして、それは日本全体の大きな社会問題にもなっています。

　この家を空き家にせず、住み続けていくために手を入れて、断熱改修をし清潔に快適に明るく暮らせるよう、お手伝いさせていただけたことは、私にとっても嬉しい実績になりました。

　ミモザの花は、撮影後、施主さんから持って帰って・・・と促され、アトリエに持ち帰ってきました。お天気のすぐれないグレーな色の空気に、鮮やかな黄色い花が咲き乱れています。