きらら延岡研修旅行 その７

　研修旅行の２日目　1月11日

　「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が、ユネスコ世界遺産に推薦されました。
この旅日記シリーズ、すでに「その７」まで進んでおきながら、今更ですが、今回の研修旅行のメインテーマをご紹介しますと、この教会群の見学と歴史遺産を訪ね歩く・・・ということでした。
延岡からそう遠くなく、限られた時間と予算で行けるところ・・・という条件から、九州内で行きたいところを考えたとき、思いついたのが、このテーマでした。


　１日目の波佐見町は、延岡からの車での移動だと、ちょうど長崎の玄関口だし、通過するだけではもったいない・・・ということで見学ルートに加えていただき、本当に貴重なものをたくさん見ることが出来ました。

　さて、２日目から、旅のメインテーマである教会群めぐりです。
平戸～長崎を、今回の旅のルートに選んでいただきました。今日は「平戸編」です。

　平戸市は、陸路で行ける範囲としては日本で最先端に位置します。今回は平戸島、そしてさらに西にある生月島にも橋で渡りました。（平戸・生月の道　ながさき旅ネットより）


　1550年に、フランシスコ・ザビエルが初めて平戸を訪れました。今から465年も前のことです。それ以来、平戸に布教されたキリスト教は、今日までの間、悲惨な歴史を経ながらも根を張り続けていたということを、教科書での知識ではなく、その地を訪れて感じることができた旅でした。


　民族間の紛争や、宗教の違いによる争い、虐殺、戦争・・・、痛ましい事件が時代を経てもなお止むことがありません。その昔、日本でも宗教の弾圧による悲惨な歴史があったことを知りました。その後、教えを守り抜いた人々が、力を合わせて建設した教会や天主堂の数々・・・・。そして、第二次世界大戦によってキリスト教徒が受ける苦悩、原爆投下によって破壊された教会、天主堂の数々・・・・。

　教えをひたすら守り続けた人間の尊厳とか、教会建設にかかわる労働力、建築技術の習得、文化性、老朽化した教会をこれからも守り続けようとする人々の思い・・・・いろんなことを考えた旅になりました。

　この年齢で、このタイミングで訪れることができた・・・ということが、本当に良かったと思いました。人生の折り返し点を過ぎ、これからどんなふうに生きていくのか、建築士としてどんな仕事を世の中に残していくのか・・・、心に何かドーンと覚悟のようなものが出来れば・・・・と思うのでした。


■田平（たびら）教会　　　（国登録有形文化財）
1918年（大正7年）　構造：レンガ造・木造（屋根と内部柱）　　設計・施工：鉄川与助







その８へつづく