斜陽

　昨日、宮崎に行ってきました。
県立劇場の脇の銀杏並木。




　県立美術館、県立図書館、県立劇場と、広大な芝生広場から成る文化公園になっているこの場所は、かつては宮崎大学の敷地でした。
大学が現在の木花に移転したのは、もう30年ぐらい前になるでしょうか？

　ちょうど、この銀杏並木があるところは、農学部のある場所でした。
木造の研究室棟があり、父の研究室もその１室でした。
廊下は歩くとミシミシ音が鳴っていたのを思い出します。

　小学生の頃、実家の近所には歯科医がなかったため、学校が終わってからバスで大学まで来て父の研究室に行くと、そこから父が自転車の後ろに乗せてくれて、歯医者さんまで連れて行ってくれました。


　写真を撮っているときには、そんなことは微塵も思い出さなかったのに・・・・・。

　この道の先にある設計事務所のn姉さんに会いに行ったら、ちょうど歯医者さんの予約の時間でお出かけする・・・というタイミング。
「歯医者」というキーワードが、私の幼い日の記憶を呼び起こしたのでしょうか？



　色づいた葉っぱたちの陰になって、ちょっと薄暗い銀杏の木の下に西日が差して、地面にはびこったコケが光る幻想的な風景でした。






　大学構内の樹木を極力残したまま、新しい施設の計画をしたマスタープラン。
全然違った建物が建ってしまっても、もともとそこにあった風景をはっきりと思い出せるほどの力が、樹木にはあるのでしょう。