待っている人のところへ

　仕事もなく、時間を持て余す毎日。
仕事をしているときには、やりたくても出来なかったことを、あれこれと思い出しては、忘れないようにメモってみました。


　ガラス拭き、網戸洗い、法規集のさしかえ、靴磨き、ゆっくり通販カタログを見る、いらない服を捨てる・・・などなど、もっともっとたくさんしたいことがある・・・ってことに、気付きました。


　朝、ダラダラと寝ている場合じゃありませんなあ。
ひとつひとつ、焦らずにボチボチと片付けていくことにしました。



　そして、今日はコレ。
前々から・・・、それこそ、震災が起きてからずーっとしたいと思っていたこと。
東日本の震災、津波の被災地に、絵本を寄付すること。


　震災から１年が経ち、息子は中学校に入学しました。
自分の部屋を自分でアレンジするようになりまして、絵本は物置部屋に追いやられました。１歳になるかならないかの頃に購入した、ほるぷの絵本です。250冊ほどあります。


　息子が小さいときには、毎日毎日、添い寝しながら一緒に読んだ絵本たちです。
思い入れのある本もたくさんあります。手元にずーっと置いておきたい気持ちもあります。
でも、現実は・・・・、物置部屋でほこりかぶってしまうのでしょう。

　思い切って、寄付することにしました。
受け入れ先にメールで連絡をすると、絵本のタイトルと冊数を正確に連絡してほしい・・・との、ご連絡をいただきました。


　今日、絵本を１冊１冊、手に取り、タイトルを入力し、埃や汚れをふき取りました。
息子と一緒に寝床で読んだ時のことを思い出したり、また中身を読み返したり、何十回も読んだ本には惜別の思いもこみ上げたり・・・と、なかなか作業がはかどりませんでしたが、夕飯の支度前に、すべての本のタイトルを入力し終わりました。


　被災地で、あの時の息子と同じように、この絵本を愛してくれる子供たちが待っている・・・と信じ、物置部屋で眠らせておいてはいけないのだ・・・と言い聞かせ、この絵本たちを寄付します。

　最近では、思春期に入り反抗期なのか、言葉遣いも態度も母に冷たい息子です。
でも、今日、絵本を１冊１冊手に取りながら思いました。
息子の心の成長に、この絵本たちがどれほど力になってくれたことか・・・。
絵本の世界に感情移入し、登場する人物や動物たちの気持ちを代弁するかのように、泣いたり笑ったりしながら読んだことを、思い出しました。
かわいかった・・・・。、あの頃は（苦笑）。
















　被災地で待っている子供たちのもとに、無事に届きますように・・・。